共に行く者
そこで注文の品が来たので、とりあえず食べることに専念した。

食事は美味しくいただいた。

その後、まだ時間があったので、出店を回っている二人と合流して、いろいろ見て回った。

しかし平穏な時間はすぐに終わりを告げる。

突然、怒声が響いてきたのだ。

驚いて周囲を見回すと、オレ達のグループの女性達が騒いでいた。

しかも利実と、ノイローゼになっていた二人の女性が、だ。

もう1人はオロオロしている。

オレ達は慌てて四人の元へ行った。

しかし2人の女性は半狂乱になっており、手が付けられなかった。

「とりあえず、2人はバスに戻そう。僕達と席を交換して、さ」

「あっああ、そうだな」

孝一の言う通り、2人をバスに戻した。

「一体どうしたんだよ?」

2人は泣きじゃくってばかりで、まともに答えられない。

けれど何とか言葉をしぼり出した。

その言葉は2人を狂わせるのに、充分な効果を発揮していた。

オレは何とか2人を落ち着かせ、孝一の所へ戻った。

「他の四人は?」

「トイレに行ったよ。それよりどうしたんだろうね?」

「アイツらからは聞かなかったのか?」

「聞ける雰囲気じゃなかったよ」
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