共に行く者
もう旅行は終わってしまう。
なのに変えることがどうしてもできない、焦り。
ここで騒ぎ出すのは意味がない。
余計にグループのメンバーに不興を買うだけだ。
恐らく、ここは大人しくやり過ごすだろう。
いつもの毎日に戻り、ほとぼりが冷めた頃を見計らって、またグループに入ろうなんて考えが、手に取るように分かる。
オレ達はあんまりにも利実を甘やかし過ぎた。
時には両親のように、時には兄や姉のように。
親友のように、親戚のように接してきた。
だがそれで利実をダメにしてしまった。
オレへの報われぬ思いがあるだろうが、何よりこの感情の名前を、オレは知っていた。
依存、だ。
利実も分かっていながら、どうしようも無かった。
オレ達に依存することを、止められなかった。
だからここで切り離すことをしなければ、その依存性は強い独占力に変わり、暴走してしまう。
これ以上、何かや誰かを傷付ける前に、切り離さなくてはならないのだ。
例えどんなに強い痛みを感じても…。
「和城、僕たちトイレ行って来るね」
「あっああ」
「先にバスに戻っててもいいから」
「分かった」
なのに変えることがどうしてもできない、焦り。
ここで騒ぎ出すのは意味がない。
余計にグループのメンバーに不興を買うだけだ。
恐らく、ここは大人しくやり過ごすだろう。
いつもの毎日に戻り、ほとぼりが冷めた頃を見計らって、またグループに入ろうなんて考えが、手に取るように分かる。
オレ達はあんまりにも利実を甘やかし過ぎた。
時には両親のように、時には兄や姉のように。
親友のように、親戚のように接してきた。
だがそれで利実をダメにしてしまった。
オレへの報われぬ思いがあるだろうが、何よりこの感情の名前を、オレは知っていた。
依存、だ。
利実も分かっていながら、どうしようも無かった。
オレ達に依存することを、止められなかった。
だからここで切り離すことをしなければ、その依存性は強い独占力に変わり、暴走してしまう。
これ以上、何かや誰かを傷付ける前に、切り離さなくてはならないのだ。
例えどんなに強い痛みを感じても…。
「和城、僕たちトイレ行って来るね」
「あっああ」
「先にバスに戻っててもいいから」
「分かった」