共に行く者
すると2人は本当にいた。
人がたくさんいる表側とは違い、裏は静かで人気が無かった。
しかし突然、利実が孝一に抱き着いた。
「なっ!?」
そしてそのまま利実は背伸びを…って、マズイ!
「利実! お前何をやっている!」
声を出すと、二人はハッとしてこっちを向いた。
そして孝一が利実を突き飛ばした。
「きゃっ!」
「『きゃっ』じゃねーだろ? 昨日まではオレで、今度は孝一狙いか? それとも色仕掛けで孝一を利用したとしたのか?」
利実は突き飛ばされたものの、多少よろけただけだった。
すぐに顔を上げ、醜く笑う。
「…別に。アンタにはもう関係ないでしょ?」
「旅行が終わるまでは、口出せる立場だと思うがな」
孝一の腕を掴み、自分の背に隠した。
「和城…」
「くっだんねーことに、コイツを巻き込むな。いくら女だからって、容赦しねーぞ?」
怒気を含んだ眼で睨むと、利実はたじろいだ。
「ふっフン! くっだんない!」
そう言い捨てると、踵を返して表側に行った。
「はぁ…。…一体全体何でこうなったんだ?」
オレは深く息を吐くと、振り返った。
孝一は気まずそうな顔をしている。
人がたくさんいる表側とは違い、裏は静かで人気が無かった。
しかし突然、利実が孝一に抱き着いた。
「なっ!?」
そしてそのまま利実は背伸びを…って、マズイ!
「利実! お前何をやっている!」
声を出すと、二人はハッとしてこっちを向いた。
そして孝一が利実を突き飛ばした。
「きゃっ!」
「『きゃっ』じゃねーだろ? 昨日まではオレで、今度は孝一狙いか? それとも色仕掛けで孝一を利用したとしたのか?」
利実は突き飛ばされたものの、多少よろけただけだった。
すぐに顔を上げ、醜く笑う。
「…別に。アンタにはもう関係ないでしょ?」
「旅行が終わるまでは、口出せる立場だと思うがな」
孝一の腕を掴み、自分の背に隠した。
「和城…」
「くっだんねーことに、コイツを巻き込むな。いくら女だからって、容赦しねーぞ?」
怒気を含んだ眼で睨むと、利実はたじろいだ。
「ふっフン! くっだんない!」
そう言い捨てると、踵を返して表側に行った。
「はぁ…。…一体全体何でこうなったんだ?」
オレは深く息を吐くと、振り返った。
孝一は気まずそうな顔をしている。