共に行く者
「本当にこれで最後だからって、2人っきりで話がしたいって言われたんだ」
「そしてのこのこ着いて来たら、いきなり色仕掛けをさせられたと…」
「うっ…!」
「利実は本当に悪巧みに長けているんだな」
呆れた方が良いのか、感心した方が良いのか、真面目に悩んでしまう。
「そして男がオレの他にも3人もいたのに、お前を選ぶところも小賢しいというか…」
「ゴメン、反省してる。でも例え色仕掛けをされたって、言うことなんて聞く気はなかったよ?」
「分かってるって。それにしてもなぁ…」
更に続けようと思った言葉だが、ケータイが鳴ったので中断した。
かけてきたのは仲間の1人だった。
ガイドさんがバスに戻って来て、そろそろ出発だと言っているらしい。
すぐに戻ると言って、電話を切った。
「もうみんなバスに戻って来てるって。利実も戻っただろうし、オレ達も行こうぜ」
「うっうん…」
それでも気落ちしている孝一。
まさかこんな手に出られるなんて、思わなかったんだろう。
ショックが大きいみたいだ。
オレは手を伸ばし、自分より幾分か低い孝一の頭を撫でた。
「わわっ!」
「いい加減、落ち込むのはやめろ。そんな顔でバスに戻ってみろ。仲間達が騒ぎ出すぞ?」
「そしてのこのこ着いて来たら、いきなり色仕掛けをさせられたと…」
「うっ…!」
「利実は本当に悪巧みに長けているんだな」
呆れた方が良いのか、感心した方が良いのか、真面目に悩んでしまう。
「そして男がオレの他にも3人もいたのに、お前を選ぶところも小賢しいというか…」
「ゴメン、反省してる。でも例え色仕掛けをされたって、言うことなんて聞く気はなかったよ?」
「分かってるって。それにしてもなぁ…」
更に続けようと思った言葉だが、ケータイが鳴ったので中断した。
かけてきたのは仲間の1人だった。
ガイドさんがバスに戻って来て、そろそろ出発だと言っているらしい。
すぐに戻ると言って、電話を切った。
「もうみんなバスに戻って来てるって。利実も戻っただろうし、オレ達も行こうぜ」
「うっうん…」
それでも気落ちしている孝一。
まさかこんな手に出られるなんて、思わなかったんだろう。
ショックが大きいみたいだ。
オレは手を伸ばし、自分より幾分か低い孝一の頭を撫でた。
「わわっ!」
「いい加減、落ち込むのはやめろ。そんな顔でバスに戻ってみろ。仲間達が騒ぎ出すぞ?」