another story
「まもなく2番線に――行き電車が到着いたします。」

構内アナウンスが流れた。

私と先輩は2番線乗り場の1番前に立った。


先輩は“さゆりちゃん”を助けようとして、代わりに線路に落ちた。


だけど“私”なら。
あの事故を知っている“私”なら、
きっと事故を防げる。

先輩を助けられるはず。




こんなに混んでいるホームの1番前にいたら、落ちても仕方ない。


「先輩、
少し、下がりませんか。」

私は強い心臓の高鳴りを抑え、
勇気を出して先輩に声をかけた。
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