another story
誰かの叫び声が聞こえてくる。



「エキインヲヨベ」

「ヒトガオチタワ」




…ヒトガ、オチタ?




私は、自分の腕をさすった。
大きな手で、強い力で引っ張られた感触が、まだ残っている。


先輩は“私”を助けようとして、
線路に落ちて、
死んだ。



だけど。
背中に感じる、この強い痛みは、何?

“さゆりちゃん”は人とぶつかった、と聞いていた。

けれど、“私”は明らかに、背中を押された。
強い力で。


“悪意”、あるいは“殺意”を感じとることが出来るくらいの強さで。
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