another story
9.
「怖くなったんでしょ?
自分のせいで、本当に先輩が死んじゃって。」
ゆっくりと、さゆりちゃんが柵を離れた。
「だから、今私の背中を昨日みたいに押すのをためらった。」
気付くと、さゆりちゃんが私のすぐ隣に立っていた。
見たこともないような、美しい笑顔で。
私は“さゆりちゃん”を避けるように、近くの柵に寄り掛かった。
「逃げなくても良いじゃない。
私はほたるちゃんみたいに、押したりしないから。」
自分のせいで、本当に先輩が死んじゃって。」
ゆっくりと、さゆりちゃんが柵を離れた。
「だから、今私の背中を昨日みたいに押すのをためらった。」
気付くと、さゆりちゃんが私のすぐ隣に立っていた。
見たこともないような、美しい笑顔で。
私は“さゆりちゃん”を避けるように、近くの柵に寄り掛かった。
「逃げなくても良いじゃない。
私はほたるちゃんみたいに、押したりしないから。」