君に恋した瞬間、


そんな俺を、冷は少し切なそうにみて言った。


「いつも思うけど、その弁当誰が作ってんの?」


冷は俺の家の事情を知っているから、これに関して疑問なんだろう。


自分自身も対して気にしてなかったから、そういえば・・・とただ弁当を見つめた。



「・・・さぁ、知らね」


ただその一言呟いて、また箸をすすめる。



父親は、俺が10歳のときに母親と離婚した。


兄はもう、自立しどこか知らないとこに住んでいて、弟はそんな兄についていった。



母親は、キャリアウーマンで自由人な人で外国に行って仕事をしている。



俺はただ一人、ただ一人家に残っている。



俺しか居ない家に、もう慣れてしまった。










< 17 / 61 >

この作品をシェア

pagetop