君に恋した瞬間、
突然で驚きながらも、苦笑いを浮かべて冷をみる。
ニヤニヤと気持ち悪く微笑む冷。
多分今までで一番こいつを殴りたい気分になった。
理由はないけど。
「全く~、俊ちゃんはモテモテですよねぇ~」
気味悪く笑って、猫なで声でいいだす冷に更に殴りたいという気分が増してきた。
ああ、やばい。
殴りたい、あのくそうざい顔した顔面を変えたい。
「何が言いたい・・お前・・・っておい、まさか!」
俺は慌てて、冷をみた。
まさか・・こいつ!!
人の鞄から、あれを見たな!
「せいっか~い!ハイ、これなぁ~んだ」
ジャジャーンとわざとらしい効果音をつけて、ポケットから今朝のラブレターを出した。
勝手に人の鞄から、持ち出しやがって・・・。
ほんとマジ、なんなの!?あいつっ!
冷の手で、ゆらゆらと揺れる手紙を引っ手繰る様にして取る。
キッと睨みつけて、ボキボキ関節を鳴らすと、冷が慌てて手を振った。