君に恋した瞬間、



透き通るような綺麗な声。


少し高めの声で、ちょっと男みたいな喋り方。



優しい笑い声、可愛い怒り声・・・。



そんな声を、探してしまうんだ。




いつの間にか、指定された校舎裏に行くと下を向いて座り込んでいる女がいた。


杷仔とは全然違う綺麗なストレート長い髪。


杷仔は、茶系だけどその女の髪色は綺麗なまでの黒。


光に照らされて輝くその姿に、一瞬心臓がギュッとなった。



「・・・あんた?」


俺の問いかけに吃驚して、その女の肩が震えた。


バッとこっちを向いて、少し嬉しそうな顔をしてでも悲しそうな顔もして。



長いその髪を慌てて耳にかけ、立ち上がったその子の身長は、意外と小さかった。


杷仔よりも小さいその身長。



・・・てか、杷仔杷仔ってこういうときも俺の基準は杷仔なんだ。



フッと鼻で笑うと、その子は不思議そうな顔をした。









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