君に恋した瞬間、
俺は、自分自身にイラつきながら、校門を抜けようとした。
ぐいっといきなり腕をつかまれた。
イライラしてるのにいきなりそんな事をされると、余計腹が立つ。
俺は、腕を振り払って掴まれた方をみた。
「俊平?・・なんか、怒ってるの?」
その言葉ではっとした。
俺の手を掴んだのは杷仔で、振り払ったその手は無気力に垂れ下がっている。
杷仔の顔をみると、驚いたような少し悲しんだような・・顔をしている。
そりゃ、あんな風にされれば普通そうだろう・・な。
ごめんな、杷仔・・ごめん。
「いや、怒ってねぇーよ・・。つかごめん・・大丈夫か?」
杷仔の腕を掴む、その手は震えていた。
杷仔を傷つけたかも・・・。
いや、それ以前に杷仔に触れるのは・・自分でも緊張する・・。