君に恋した瞬間、
下でなにやら大声で叫んでいるのを無視して俺は制服に着替えた。
だらだらと、階段を降りて適当に弁当を詰め込み家を出る。
そこに待ち構えていたのは、大柳 杷仔っていう・・・人。
「もう、俊平のせいで遅刻なんですけどー」
ずっと待ってたんだからと、俺の手を引っ張って走り出す。
そのとたん、急に正気に戻った俺は急いでその手を振り払った。
「ちょ、俊平何!走らないとどーすんの」
俺が手を払ったのが気に入らないのか、ムッとして杷仔が言う。
心拍数上昇。
つか、ありえないから。
うん、ありえない。
普通手、握んないだろ・・・・。