P U R E -ダイスキ、
本当、可愛い!
料理上手な匠ちゃんは、あたしの誕生日に
毎年毎年プロみたいなケーキを作ってくれる。
部活があっても、用事があっても
それは必ず手渡しで。
なんでもないように感じてたけど、
今日でこれも最後?
…なんてまた、泣きそうになる。
「…あけてい?」
「もちどーぞ♪」
にこーっと笑いながら箱を見つめる匠ちゃん。
「今回自信あるんだ〜?」
「泣くかもね?」
なんて冗談混じりに呟いてた。
「…わあ…
ピンク!くま?」
全体的に薄ピンクのケーキに、
可愛い砂糖菓子のくま。
あたし、てゆーか女の子の好みを把握し切ってる気がする。
「特別な日だしね」
見たこともないような優しい笑顔で、独り言のようにつぶやく。
「……あ、今日が記念日?」
記念日があたしの誕生日だなんて。
忘れることもできないよ…。
一瞬で暗くなるあたしの顔。
「俺あんまり賭けは、したくないタイプなんだけどさ?」
「……??」
「…幼なじみが彼氏とか、ありえんの?」
それはすっごく真剣な顔で。
意味はよくわからなかったけど、
「…うん」
って、何故かあたしも緊張しながら答える。