ラスト・ラン 〜僕らの光〜
「なんだか夢みたい。もう隼平とこうして話すことはできないって思ってたから。三浦君に感謝しなきゃ」
「ああ。本当にそうだな」
凛子の言うとおり、三浦にはとても感謝してもしきれない。
きっと三浦がいなければ、凛子とこんな風に一緒に過ごすことはできなかった。
不思議なものだ。
出逢いは必然だというが、本当にそうだと思う。
「俺さ、やり残したこと一つだけあるんだ」
「何?」
「最後に三浦と走りたい」
俺はこの体に問いかけるように訊いた。
「いいか?三浦」
やがて耳の奥で、声が響く。
「ああ」