ラスト・ラン 〜僕らの光〜
「俺の勝ちだな」
「いや俺だろ。なあ青柳」
「ごめん分からない…。だって私、隼平のこと視えないし」
シュンとうつむく凛子。
ああそうか、と三浦は思い出したように頭を抱えた。
「仕方ねえ。引き分けにするか」
「次の勝負までお預けだな」
「そうだな。次はあの世だ」
ハハッと二人で笑い合った。
「あー…」
大の字になって寝転ぶと、ひんやりと冷たい地面の感触が体中の熱を冷ましていく。
土の匂いがした。
「やっぱ走るって気持ちいいや」
ああ、と三浦も続けて横になる。
「陸上部、入るか?」
「言うと思った」
笑い声が絶え間なく、星空に響いた。
ふいに身体中に違和感を覚える。
突然目の前が光った。
眩しい。
光が、俺を呼んでいた。