ラスト・ラン 〜僕らの光〜
「とうとう来たか」
ついにやってきたお別れの時。
俺の体が少しずつ形を失くし、消えていこうとしていた。
「前田…」
驚いた三浦が目を見開く。
「もう少しお前らと一緒にいたかったけど、どうやらタイムアップみたいだ」
「まだ行くなよ」
「…三浦」
「お前、言ったじゃないか。一緒に走ろうって」
「…悪い」
目頭が熱くなる。
俺だってそうだ。
できることならまた一緒に走りたかった。
体を丸くしてしゃがみ込む三浦の肩を凛子が揺らす。
「隼平、行っちゃうの?」
やだよ、
行かないで。
そういって一生懸命、視えるはずもない俺を探し求める。
触れたいのに、触れられないもどかしさが心を痛めた。