ラスト・ラン 〜僕らの光〜
「三浦君。珍しいね。隼平の家に来るの初めてでしょ」
「ああ。ちょっと色々あって」
ふうん、と青柳は不思議そうに首を傾げている。
「それより、青柳はよくここに来るの?」
「あっうん。家が近いから」
「ここの向かいの家、青柳の家だよな。真っ暗だったけど両親仕事?」
とたんに、青柳の表情が曇った。
週刊少年ジャンプを読んでいたはずの前田もこちらを見上げている。
重苦しい空気が流れた。
何か失礼なことを訊いてしまったのだろうかと斗真は慌てた。
「どう、した?」
少し間が空いて、青柳は微笑んだ。
「私の家ね、両親いないの」