ラスト・ラン 〜僕らの光〜
翌日、前田が校門の前で待っていた。

斗真は彼の待ち人が自分でないことを祈り、前田の横を通り過ぎようとするが引き止められたので落胆した。


「何だよ」

「一緒に帰ろうって言っただろ」


大きくため息を吐く。

こいつ、本気だったのか。


「お前、部活は?」

「今日はグラウンド女子が使ってるから休みなんだよ」


チッ、と斗真は舌打ちを鳴らした。


「今日も俺の家寄っていけよ」

「いいよ。俺は忙しいんだ」前田の先を、足早に歩く。

「凛子も来るって」


思わず、斗真は足を止めた。

振り向くと前田が薄気味悪い笑みを浮かべている。


「なに笑ってるんだよ」

「別にー」


こいつ、やっぱり俺の気持ち知ってるだろ。


「前田、おま──」
「三浦君」
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