ラスト・ラン 〜僕らの光〜
3
幼なじみという壁はやはり越えられないのか。
決死の思いでデートに誘ったというのに、土曜日は青柳、そして前田と三人で映画を観に行くことになってしまった。
しかも前田が前から観たいといっていたその映画はアメリカを舞台にしたギャングの抗争を描いたアクション。
青柳を挟んで座っていたが、銃撃音が飛び舞う中、ムードもへったくれもなかった。
映画を観終えると、三人は近くのカフェで休憩をとることにした。
「あっ新商品出てる。ストロベリーチーズケーキだって。おいしそう」
まるで子どものようにはしゃぐ青柳を見て、これがデートだったらどんなによかっただろうかと思う。
隣に前田さえいなければ。