ラスト・ラン 〜僕らの光〜

「どう、しようか」


コーヒーを飲むふりをしてちらり、と青柳を盗み見る。

青柳もそわそわして落ち着かない様子で、ストレートの髪の毛を幾度なく触っていた。

そういえばデートは初めてだといっていたな。

斗真は経験豊富とまではいかないが、一応過去にデートの経験はあった。

ここは男の自分が引っ張らないと。


「じゃあ、とりあえず…公園でも行く?」


我ながら陳腐なデートスポットを選んでしまったなと来てから激しく後悔した。

家が近いからという理由でその公園にしたのだが、ただ古びた遊具があるだけで特に面白いものは何もない。しかも人気もなく、侘しい。


「懐かしいな、ここ」


しかし青柳の反応は意外にも好感触だった。
< 46 / 121 >

この作品をシェア

pagetop