ラスト・ラン 〜僕らの光〜
「どう、しようか」
コーヒーを飲むふりをしてちらり、と青柳を盗み見る。
青柳もそわそわして落ち着かない様子で、ストレートの髪の毛を幾度なく触っていた。
そういえばデートは初めてだといっていたな。
斗真は経験豊富とまではいかないが、一応過去にデートの経験はあった。
ここは男の自分が引っ張らないと。
「じゃあ、とりあえず…公園でも行く?」
我ながら陳腐なデートスポットを選んでしまったなと来てから激しく後悔した。
家が近いからという理由でその公園にしたのだが、ただ古びた遊具があるだけで特に面白いものは何もない。しかも人気もなく、侘しい。
「懐かしいな、ここ」
しかし青柳の反応は意外にも好感触だった。