ラスト・ラン 〜僕らの光〜
「小さい頃、よく来てたよ。あのジャングルジムとか登って遊んでた」
きゃっきゃっとまるで小さな子どものように駆け回る彼女のおかげで、先ほどの後悔は一気に消え去った。
二人でジャングルジムに登ると、青柳は空を見上げた。
白い雲の隙間から太陽がさんさんと輝いている。
「夜になるとね、よく星を掴もうとしていたなあ」
「星を?」
「うん。ここに立つと空が近く感じるでしょ。だからなんか届きそうで必死にこうやって掴もうとしてた。馬鹿でしょ、私」
空に向かって目一杯手をかかげる青柳。
その姿があまりにも無邪気で抱きしめてしまいそうになる衝動を抑えて、斗真はわざと笑ってごまかした。
「それで星は手に入れた?」
冗談で言ったつもりだったが、青柳は頷いた。