ラスト・ラン 〜僕らの光〜
「本物じゃないけど。あまーい星は手に入れたよ」
「あまい、星って?」
ふふっ、と青柳は目を細めた。「内緒」
「何だよ、教えろよ」
「内緒といったら内緒ー」
「ちぇっ」斗真が拗ねた顔をすると、青柳はさらに声を上げて笑った。
「三浦君てば怒らないでよー」
「別に怒ってなんかないよ」
「また今度見せるから。今手元にないの」
「本当かな」
「あっその顔、信じてないでしょう」
それから、何時間ほど話していたのだろう。
日が暗くなるまで俺と青柳はたわいもない会話を繰り広げて、気が付けば星空を見上げていた。
やがて青柳と目が合うと、俺は彼女に優しくキスをした。
甘酸っぱいストロベリーの味がした。