ラスト・ラン 〜僕らの光〜
月曜日の放課後、いつものように保健室に行くとグラウンドに前田の姿がなかった。
斗真は不思議に思った。
前田は授業をさぼることはあっても、陸上部の練習だけは毎日欠かさず走っていたからだ。
土曜日に会ったときは元気に見えたが、昨日は通り雨が激しく急な冷え込みもあって体調でも崩したのかもしれない。
「前田君、休みみたいね」
江原先生も気付いたようで、「珍しいわね」と机の角で咲いている二輪のカーネーションに小さなじょうろで水をかけた。
「三浦君」
振り向くと青柳がドアの所に立っていた。
「ここに入っていくのを見たから」
そういって、彼女は斗真の隣にあったもう一つの丸椅子に腰掛ける。
教室ではお互い何事もなかったかのように接していたが、こうして二人になるとあのキスを思い出してどこか照れ臭かった。
斗真は不思議に思った。
前田は授業をさぼることはあっても、陸上部の練習だけは毎日欠かさず走っていたからだ。
土曜日に会ったときは元気に見えたが、昨日は通り雨が激しく急な冷え込みもあって体調でも崩したのかもしれない。
「前田君、休みみたいね」
江原先生も気付いたようで、「珍しいわね」と机の角で咲いている二輪のカーネーションに小さなじょうろで水をかけた。
「三浦君」
振り向くと青柳がドアの所に立っていた。
「ここに入っていくのを見たから」
そういって、彼女は斗真の隣にあったもう一つの丸椅子に腰掛ける。
教室ではお互い何事もなかったかのように接していたが、こうして二人になるとあのキスを思い出してどこか照れ臭かった。