ラスト・ラン 〜僕らの光〜
それから三日、四日立っても前田が学校に来ることはなかった。

日に日に青柳から笑顔が消えていく。

授業中もどこか上の空で、しきりにポケットの中の携帯電話を気にしていた。

前田からの連絡がないか気にしているのだろう。

斗真はだんだんと嫌な予感がしていた。

中学の時ならまだしも、今や陸上一筋の前田が無断で部活を休むだろうか。

何の前兆もなく、突然に。


毎日帰り道、ずっと落ち込んでいる彼女を


「大丈夫だよ」


と俺はただただ抱きしめた。

そうすることしかできなかった。
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