ラスト・ラン 〜僕らの光〜
前田が姿を消して一週間が過ぎたところで家族も学校も不審に思ったのか、いよいよ警察に捜索願が出された。
ホームルームにそのことを担任の先生から告げられると、斗真は青柳と目を合わせた。
彼女の青白い唇が微かに震えていた。
「まさかこんな大事になるなんて…」
公園のベンチでうずくまる青柳の隣で、斗真はポケットから携帯電話を取り出す。
履歴は"前田隼平"の名前で並んでいる。
「今朝、かけてみたけど今まで不通音だったのに電源切れてた」
「…そう。隼平、一体どうしちゃったんだろう。どこかで──」
そこまで言いかけて、青柳は口を噤んだ。
彼女の気持ちは分かる。
言葉に出してしまえば現実になりそうで。
言霊ではないが、それが怖いのだろう。
ホームルームにそのことを担任の先生から告げられると、斗真は青柳と目を合わせた。
彼女の青白い唇が微かに震えていた。
「まさかこんな大事になるなんて…」
公園のベンチでうずくまる青柳の隣で、斗真はポケットから携帯電話を取り出す。
履歴は"前田隼平"の名前で並んでいる。
「今朝、かけてみたけど今まで不通音だったのに電源切れてた」
「…そう。隼平、一体どうしちゃったんだろう。どこかで──」
そこまで言いかけて、青柳は口を噤んだ。
彼女の気持ちは分かる。
言葉に出してしまえば現実になりそうで。
言霊ではないが、それが怖いのだろう。