ラスト・ラン 〜僕らの光〜
インターホンの呼び出し音が鳴り響く。

しばらくして玄関の扉が開き、青柳が出てきた。

久しぶりに見る彼女は前より一層痩せて、血の気を失ったように肌の色が青白くなっていた。


「これ連絡票。あとノート。もうすぐ試験だろ。とりあえず問題に出てきそうなところはチェックしておいたから」


数冊のノートを渡すと、青柳は小さな声でありがとう、とお礼をいった。


「ちゃんと食べてるのか?」


こくり、と頷く。


「なにか手伝うことあるか?」


今度は顔を交互に振った。


「そうか。なにかあったら俺呼んで」


青柳は微笑んだ。

無理をして笑顔を繕う彼女は見ていて痛々しかった。
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