ラスト・ラン 〜僕らの光〜
もうどうでもいい。
どうせ、二人にとって俺は邪魔な存在でしかないんだ。
気がつくと、斗真は青柳の家の前に立っていた。
インターホンを鳴らすと、数秒もしないうちに玄関先の明かりがついた。
「どうしたの?三浦君」
青柳は少し驚いた様子だった。
何も答えないでいると、彼女は気を遣ったのかそれ以上聞くことはしないで斗真の手をとった。
青柳の家に上がるのは今日が初めてだ。
白のレースを基調にした青柳の部屋は、中に入ると石けんのような香りがした。
「ごめん。こんな夜中に突然来て」
壁時計は夜の11時を差している。
ううん、と青柳は首を振った。
彼女が入れてくれた紅茶は温かく、優しい味がした。
それから何を話すわけでもなく、俺と彼女は寄り添って窓の外を見上げた。
無数の星が散らばっている。