ラスト・ラン 〜僕らの光〜





カタン、と物音がして振り向くと、チェストの上にあった写真立ての一つが倒れていた。

立て直してやると、幼い顔をした私と隼平がこちらを見て笑っていた。

背後に青色のジャングルジムが写っている。

確か小学五年生の時、隼平がたまたまインスタントカメラを持っていたからあの公園で撮ったんだっけ。

懐かしい。





──青柳は、前田のことが好きなんじゃないのか。


三浦君が部屋を出ていってから四時間が過ぎており、カーテンを開けると暗闇だった空がすでに白んでいる。

私は彼に何も答えることができなかった。

というより何と答えればいいのか分からなかったといったほうが正しいだろう。
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