ラスト・ラン 〜僕らの光〜
慌てて彼の後を追って、私はわざと明るくふるまって話題を変えた。


「ねえ、どこ行くの?」

「青柳の行きたいところ。お腹空いたろ。さっき予約したんだ」


そこから少し歩いて辿り着いたところは巷で人気のパンケーキハウス専門店。

ここは美味しいと評判でテレビでもよく取り上げられていた。

甘いものに目がない私は本当は毎日でも通いたいぐらいだが、いつも予約がいっぱいでまだ二、三回しか行けていない。


「どうして私がここの店が好きだって知ってるの?」

「なんとなく。女子が喜びそうなところだなと思って青柳と一緒に来たかったんだ」


甘党にはみえないのに彼はパンケーキをせわしなく頬張り、不思議に思いながらも私も久しぶりの味を堪能した。

それからも彼に連れられるままに、地下鉄を乗り継いで色々なところを歩いた。

新しくリニューアルされた水族館。

私の好きなアートアーティストの展示会。

気になっていたけれどなんとなく一人では入りづらかった小さな雑貨屋。




どれも彼の言っていた、

、、、、、、、、、
私の行きたいところだった。








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