ラスト・ラン 〜僕らの光〜
ここまでくるとさすがに変に思った私は彼に問いただすと、


「実は青柳の友達に聞いて調べてきたんだ。どんなものが好きかとか、色々とね」


と白状した。

それを聞いた私はそこまでしてくれたのだと嬉しいと思う反面、どこか腑に落ちないでいた。

彼は嘘をついているように見えない。




気がつけば空は夕暮れ色に染まり、そろそろと帰ろうかと話してたら、彼が最後に行きたいところがあるといったのでついていくと、そこは彼と初めてキスを交わした公園だった。

あの時のようにジャングルジムの上で二人で並ぶ。


「今日は楽しかった。ありがとう」


お礼をいうと、彼は満足そうな表情を浮かべた。


「俺も。青柳の知らないところたくさん知ることができて楽しかったよ」

「でもよく調べたね。展示会なんて今やってることすっかり忘れてたから驚いた」

「他にも色々あるよ。聞きたい?」

「ええっなんか怖いな」

「冗談」くっくっ、と肩を揺らす彼。

「なーんだ冗談か」

「──にはかなわないな」

「えっ?」

「いや何でもない。それより青柳が喜んでくれて嬉しかった」

「…うん。ありがとう」

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