ラスト・ラン 〜僕らの光〜
馬鹿だとは思っていたが、ここまで本当に馬鹿だとは思わなかった。

でも前田らしいといえば前田らしく、俺は呆れつつも最後までお守りを離さなかった彼の執念に感心した。


──三浦君がそんなに人の気持ちを考えられないような人だとは思わなかった。


結局、少しでも元気を出してもらおうと前田の提案で青柳を連れて回ったが、最終目標にしていたお守りが彼女の手に渡るも、あんな形で終わってしまったことをとても悔やんでいる。




無理もない。



前田が視えるとはいえ、未だに俺も、時々夢ではないかと疑う時さえある。

彼女に初めから信じてもらおうなんて、そう簡単に上手くいくわけがなかった。
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