ラスト・ラン 〜僕らの光〜
「おはよう、三浦君」
昇降口を出ると、青柳がいつもと変わらぬ笑顔で段差に座っていた。
「大丈夫なのか?」
うん、と頷く彼女。
よく見ると瞼が少しだけ腫れている。
毎日のようにずっと泣いていると前田がいっていたのを思い出した。
「…この前は、ごめん。俺がいったこと忘れていいから」
やはり今の彼女にとって前田の話は酷なだけかもしれない。
少しの、間。
すると、青柳の口から思いもよらない言葉が返ってきた。
「隼平、本当にいるの?」
思わず、背後に立っていた前田と顔を合わせた。
彼も目を大きく見開いて驚いている。