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「私、お父さんが嫌いだった。
お母さんが倒れた時も、最期の時も帰ってこなかった。
毎回忙しい忙しいって自分のことばっかりで…。
そのくせ私には勉強しろって、跡継ぎのことばっかり考えて。
でもある日見ちゃったの。
夜中にお父さんが1人でお母さんの名前呼んで声押し殺して泣いてるところ。
どんなに我慢してたんだろう…って、思った。
いつもは平然としてるあの大きな背中が今じゃ面影もなくなってたんだ…
だから、今度は私が救いになろうと思った。
お父さんのせいで自分も生きてる意味無いって思ったけど、確かにあった。
だから、あなたにもあるはずだよ?
必ず生きてる意味はあるの。
だから、辛くても生きたらいい。
いじめられてもそいつ等以上に幸せになってやったらいいんだよ。
死ぬなんてもったいないよ…。」
コイツ…
何でここまであたしに構うの?
あたし、別にコイツのためになるようなことしてるわけでもないのに。
何で他人にそこまでできるんだよ…。
「あんた、あたしに、
生きてほしいの…?」
この先生きてて何の意味があるというのか……
分からない。
でも、もう一度だけ…
信じてみようと思った。
コイツの言葉を……。