鏡の中の少女
仮面…それぞれの歩み
花火大会から数日間…翼は、部活のサッカーの合宿で地方へと出掛け 藤堂さんも急な海外出張…私自身も仕事が忙しく動き回ってる日々が続いて気が付けば夏も終えようとしていた。


「なぁ、けぇーい…良いだろう~?」
「…NOよ、ノー!!嫌って言ってるでしょ!」

夏休みも、終わっても暑い日の休日の店内…学校から帰宅後、翼に纏わり付かれ難問を吹っ掛けれていた。

(翼になんて、とても付き合ってらんないわ…あぁ~そんな目しても…)


この日、知った事実…… 〔天才サッカー少年…〕この記事を、ついさっき偶然スポーツ新聞で目にし驚いていた所に翼が飛び込んできた。知らなかった…翼が有名人だってこと。
その上…この間の花火大会には裏があって、記者が来ることを知っていた翼は私を誘って“彼女”だと誇示したらしい。

「そんなに嫌なのかよ………………」
「そんな嘘バレバレだし、有名になったら私なんかより可愛い女の子達に囲まれるんだよ?アレは、知り合いなり友達だったって言えば済むでしょ!あー忙しい…」

彼女として今度の記者が、観戦にくる試合を見に来て欲しいと頼まれたのだ…。試合位ならいくらでも応援するし例のあの娘達の嫌みもスルーできる。けれど……私は、彼女達と違い表に出たくないし出るつもりもない。例えば、本当の彼女だとしても(ん?本当の彼女…?って…ハハハ…何考えてんの私)断ってる。

「蛍も有名人になれるんだよ?それに……っ!!!???」
「………っ!? 最低…翼は、そのためにサッカーやってんだね…お金使って」
バッシーン……たまたまお客がいなかったせいもあり私の平手打ちは店内に響きオーナーが慌てて来た…。
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