鏡の中の少女
遊びながらも、多分そのまま二人とも眠ってしまったようだ。目が覚めると、目の前に翼の顔があり驚いて大声をあげそうになりバッと口を抑えた…夕べの事を、思い出したからだ。
(はぁ仕方ないなぁ~朝食でも作ってあげるか)
私は、そっと起き出すと薄いタオル地の上掛けを賭けるとキッチンへと向かった。
「………蛍…ちゃん?」
「あっおはよ!朝練あるんでしょ?早く座って食べないと…ん、何?」
「良いのかよ…?」
「言ったでしょ?…アレとは別って…今日はサービスに、お弁当作ったよ!って言っても…有り合わせの材料だから嫌なら捨てちゃても、置いて行っても良いからね!」
翼は、物音で目が覚めちゃったらしく私の背後から手元・顔の順にオドオドとし見るから何も無かったように笑って見せた。すると、直ぐにいつものように犬っコロのように朝食後…お弁当を片手に出て行って…ポツンと部屋に一人になった。
(えっと…いつもこんなにも、静かだったっけ?
…翼と居ると賑やかだからなぁ~よし!サッサと片して…見に行ってみよっ!)
――――1時間後―
私は、翼の通っている〔鬥屑(とうせつ)学園高等部に来ている…勿論、常識的にかなりの数の差し入れを持って。
『とっととカバーしろ―!!………遅い!』
『突っ込めぇ~』
さすがの体育会系…迫力も凄いけど、それを見に来ている女の子達の数も半端ない………確か今日も平日の筈だとクビを、傾げてしまっていた。