恋愛うはうは物語(仮)
1章
「うえっ…ひっく」
ある日の帰り道、あたしは捨て犬を見つけた。
連れて帰ると、動物嫌いの母親にこっぴどく叱られて泣きながら来た道を戻る。
「どうしたの?」
「…え……?」
目の前にはあたしより小さい男の子がいて、目を丸くしてあたしを見ながら尋ねてきた。
「この犬、一人ぼっち…」
「捨てられてたの?」
あたしは静かに頷く。
すると男の子は何も言わずどこかに走って行った。
「はいっ」