只今、受験生

佐久間にバトンパスをする。

佐久間はすばやく、2位のひとを追い抜く。

1位の人と距離をどんどん縮めていく。

次走る人は、瑠奈。

瑠奈は意外とはやい。

瑠奈のおかげで1位までいけた。

ひざをみると、血がドクドクをどている。

足を引きずりながら、水道のところに歩いていく。

けがをしたところを水で洗う。

「大丈夫かよ。」

佐久間・・・。

『大丈夫。』

「これきっとうむやん。けがしとるけん、大変やと思うけど・・・。まあおれも頑張るけん。」

佐久間が一瞬、一段とかっこよくみえる。

あたし、佐久間が好きなんかな・・・。

「佐久間ー。来てよぉ☆」

向こうの女子に佐久間はよばれている。


「おー。いくいくー。」

彼は、あたしの前から離れていった。

向こうの彼は女子にボディタッチされながらわいわい話している。

『ハァ・・・。』

「何悩んどん?」

あたしのクラスで一番足が速い、石岡健くん。

『うーん、何でもないよ。』

「そう見えないけど。何かあったら言って。」

いつもクールで女子と話なんかめったにしない石岡くん。

彼の優しさ、今日気付いた。
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