只今、受験生

新学期になってからすぐ修学旅行がある。

みんなうかれている。

「みんな、うかれてるから勉強がんばっておきよ。」

ママはいつもこういう。

ママにはさからわず、ちゃんと勉強している。

『ママ、受験ってしんどいの?』

「まあ、恵理子のいきたい高校はむずいとおもうからしんどいとおもうけど、ママのいった高校は大したことないしママはバカだったからママのいった高校はしんどくなかったよ。でも恵理子にはちゃんと頑張ってもらうから。」

ママはバカ高といわれる高校に通っていた。

ママの地元の家のまわりにはママの同級生が住んでいて、その同級生らはみんなトップ高へいったもので差別されていたと以前話してくれた。

だから、受験のことになるとあたしに厳しくなる。

ママのためにも行かなくちゃ。いつもそう思っていた。


修学旅行間近。

あたしは毎日2時間勉強して、みんなと差を今あけている。

「ってか、勉強全然してなぁーぃ。恵理子は?」

同じテニス部の滝沢万理。

いつもあせらずノー天気。

修学旅行も同じグループになった。

『2時間くらいしか勉強できてない。』

そう発言したとき、まわりにいた女子があたしのほうに目をむける。

みんな・・・・


ライバル・・・・。


あたしにはなぜかそう思ってしまう。



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