地味な教師は俺様ホスト?!【完】
健也さんはありがとうと言って再び話を始めた。
「知ったよ。俺が竜に伝えた…」
「先生はどんな反応をしたんですか?」
「信じてなかったよ…嘘だってずっと言ってた。あいつは百合の葬式にも出なかったよ…」
「どうしてですか?」
「受け入れたくなかったんだろう。でも、葬式ぐらい出てほしかったけどね俺は…」
先生の気持ちはわかる気がした。
どんな人でも大切な人が死んでしまうのはきっと辛いことだし
先生の場合は特別辛いような気がした。
「先生はそれからどうなったんですか?」
「百合が死んでから1年、あいつは屍のような生活を送っていたよ」
屍のような生活…
それは先生の辛さの象徴のように聞こえた。
「大学は通い続けてたみたいだけどな…ほら、あいつの実家って浅田財閥だろ?いずれはつがなきゃいけないし、大学休んで親にばれたらめんどいみたいでさ。それでなんとか大学は行ったみたいだけど、あとは全然…」
健也さんはそう言うと苦笑いして話を続けた。
「大学に行く以外は家にいてご飯もろくに食べてなくて、倒れたことさえあった。俺が心配して毎日通ったおかげで死なずにすんだけどね」
「健也さんは大丈夫だったんですか?」
「そりゃ辛くないわけなかったけど、俺は心の準備をする時間があったから…でも竜にはなかった。それに百合と最後にあった時のこと後悔してたよ…」
「どうしてですか?」
「まさか最後なんて考えてもいないだろ?それがケンカで最後なんて後悔以外にすることなんてないよ…」
たしかに…
大切な人との最後の時間がケンカなんて後悔だらけだよ。