地味な教師は俺様ホスト?!【完】
ってそんなことよりさっさと止めないと注目の的だよ。
決して人通りが少なくない道に立つホストと少し若い女性。
ましてや先生くらいかっこいいと嫌でも目立つ。
実はさっきから通りすがりに私たちを見る視線には気づいていたんだけど、さすがにこれ以上見られるのは恥ずかしい。
「先生…」
「うん?」
「いい加減に笑うのやめて」
そう言うと一応、静かになった。
でもよく見ると笑い声は聞こえないもののいつまでたってもニヤケたままの先生。
私のどこにそんなおもしろい要素があったんですか?!
私が鋭い目で先生を睨んでいるとさすがに観念したのか元の顔に戻る。
「わかった。わかった。でもあまりにお前の反応が新鮮過ぎてさ」
私どんな反応したっけ?
というか、反応したっけ?
「普通さ、教師がホストやってたら何か言うことあるだろうにお前何も言わないからさ。逆にこっちがびっくりしたよ」
「私…これでもびっくりしてるんですけど?」
「嘘?!気付かなかった…ククッ」
そう言いながらもまだ笑う先生。
かっこいいけどさ…
もういい加減にやめましょうよ。
それに何も言わなかったんじゃなくて驚きすぎて何も言えなかったんだもん。