【完】君だけにみせるMyReal
「大沢、騙されんなよ。こいつの可愛らしい笑顔に何人の女の子が犠牲になったことか」
「ちょっと、オダジ先輩!何言ってるんですか!?」
そう言って彼はオダジ先輩に絡み出した。
そう、そうなんだ。
どちらかと言うと彼は可愛らしかった。
人違い?
いやいや・・・そんなわけはない。
会話繋がってたし。
だけど、本当に別人。
年下で、みんなにいじられるキャラクターで、甘えんぼ。
正直、私が一番苦手とするタイプじゃない。
あの時とは正反対。
「大沢先輩。一緒に帰らない?」
「・・・・・・イヤ」
その日の帰り。
私が最も苦手とする無邪気な笑顔を向けて、七海が私を誘った。
だから「うん」と素直に頷けなかった。