【完】君だけにみせるMyReal
「なんだ、大沢。お前こういうのがタイプなのか?」
「七海、女王様に甘えさせてもらえ。お似合いじゃん!」
野球部員達のはやし立てる声。
とてもうざったかった。
「黙れ。うるさい」
私は、迷わず、はやし立てた野球部員達に蹴りを入れた。
「いったあ!」
「フンッ」
私は痛がる野球部員達を軽く蹴散らして、教室から出た。
「待ってよ、大沢先輩」
「何よ。ついてこないで」
帰ろうとする私の後ろを、七海がしつこくついてきた。
私は長い黒髪を揺らしてズンズンと歩みを進めた。
「・・・待てって!」
七海が急に強い口調になって、私の手首をあの時と同じように掴んだ。
「やだっ!離してよ!」
動揺しすぎた私は、いつのものように冷静に反応することが出来なかった。