【完】君だけにみせるMyReal
「顔真っ赤じゃん。あの時は夜だから分からなかったけど、あの時もこんな顔だった?」
そう言って、私の真っ赤な顔を見て七海は嬉しそうにはにかんだ。
その顔はさっきまでのおちゃらけていた七海とは、全く違う・・・あの夜と同じような表情だった。
「そんなこと・・・ない」
あの日の話しを出されて、私はハッと気づいて、まとっていたパーカーを脱いで七海に渡した。
「これ、返す・・・・・・」
私は七海の顔を見ないように、下を向きながら七海にパーカーをズイっと差し出した。
「・・・・・・」
七海は何も言わずに私の手からパーカーを受け取った。
私の体からあの時のぬくもりが消えてしまうような気がした。