【完】君だけにみせるMyReal
七海はそう言って、私のことをギュウっと抱きしめた。
ドクンドクンと七海の心臓の音が聞こえて、本当にドキドキしてたんだって、嬉しく思った。
パチパチパチパチ
「バカッ!修平!シーッ!!!」
その時近くにあった大きな木の陰から拍手の音と、それを止める声が聞こえた。
慌てて七海から離れて、拍手と声が聞こえた大きな木の後ろに回り込んでみると、そこには七海と同学年の野球部の尚哉と修平がいた。
私の熱がサーッと引いていく。
尚哉の顔の血の気もサーッと引いているのが分かるくらい、私は冷静になっていた。
「で?あんた達はどっから見てたわけ?」
「全部っす!もう、最初から最後まで!俺超感動したっす!」
「うわー・・・大沢先輩すいませんっ!」
私の顔を見て素直に謝る賢い尚哉をよそに、修平はヤバイって状況がいまいち分かっていなくて、涙を流して感動していた。