【完】君だけにみせるMyReal

「ねえ、今日だけ俺に甘えてみない?」


「っへ!?」


「だから、甘えてもいいよって。ね?」


そう言って彼は、私の前に立って両手を大きく広げた。


月明かりが彼を後ろから照らしていて、彼の体がボウッと黄色い光をまとっていた。


なんだか・・・王子様みたい・・・って私!

何見ず知らずの人にときめいてるんだ!

冷静に、冷静に!


「フンッ。甘えられるわけないじゃない。あんたバカ?」


私は両手を広げる彼に背中を向けて、歩き出した。


「待てよ!」


歩き出そうとした私の手首を、後ろから彼の手が捕まえた。


「分かった・・・お前さ、そうしてツンツンして本当の自分隠してるんだろ?本当は甘えん坊のくせに」

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