ちいさな光★
「何でずっと、バラードの時、座ってたの?


めっちゃやる気なさそうだったよ!!」

 私はそれだけ言うと、走り出していた。


高いヒールのサンダルをはいてたせいか、途中でつまずいて思いっきり転んだ。


膝には、うっすらと血がにじんでいて痛い。


「おい! 大丈夫かよ?」

 追いかけてきた翔が、手を差し伸べてくれた。

「バラードの時は、じっくり聞き入りたかったんだよ。

オレ不器用だし……。

だから、座ってた。


本当今日は感動した!!」

 ふくれていた翔の顔に、笑みが広がった。


私はそっと、翔の手を握った。



倒れたバッグからは、二本のペンライトが光を放っていた☆









☆END☆
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