-呪歌-
「ちょっと信二、少しは荷物まとめたらどうなの?」
散乱した服や、食べかけのお菓子の山をみて美咲が睨んだ。
「大丈夫、大丈夫。後でやるって」
そんな事はお構い無しで、ノラリクラリとかわす信二。
「信二くんの「後で」はあてにならないのよねぇ」
晴美が美咲の援護に回る。
そんな三人のやりとりを、陽子と武は苦笑いで見ていた。
加藤陽子
斉藤武
後藤美咲
鈴木晴海
坂口信二
この五人は同じサークルのメンバー。
皆同じ大学の2年生。
活動の一環で一週間このキャンプ場のロッジで泊まっている。
そしていよいよ明日が最終日だ。