-呪歌-
信二は晴海の家に向った。
信二が借りているアパートは、偶然にも晴海の家とは近い方だった。
あいつだいぶ参ってるみたいだから、少し様子を見てあげないとな・・・
そう思い、今日は一緒に登校しようと思っていたのだった。
ピンポーン
ベルが鳴り響く。
「はぁい」
少し遅れて、晴海の母親の声がした。
「おはようございます。晴海さんと同じ大学の者ですけれど、晴美さんはいらっしゃいますか?」
「あ、はいはい、ちょっとお待ちくださいねぇ、あの子まだ起きてこないのよ〜」
そういい残し、晴海の母親は二階へとトントン登っていった。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
突然けたたましい悲鳴が、家の外まで響いた。
「どうしたんですか!?」
尋常ではない悲鳴に、信二は二階へと上がりこんだ。