-呪歌-

ドアが開け放たれた廊下の壁にもたれ、座り込んでいる母親。
目を見開き、口をガクガクさせている。


信二はゆっくりとドアを覗き込んだ。




・・・・・!!!!!




そこには


一面に飛び散った


血・血・血・血




部屋の中央には、腹の中に納まっていた内蔵が解放されたかのように溢れ返っている晴海の姿が・・・


晴海を中心に大輪の血の花が床の上に咲いている。


ウグッ・・・!!


戻しそうになった信二は口を押えた。
「晴海・・・晴海ぃ・・・・」


晴海の母親の目からは大粒の涙が流れ落ちる。


「警察を・・・警察を呼ばなきゃ・・・」


うつろな声で晴海の母親は繰り返しつぶやく。



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