-呪歌-
感染
【葬儀】
黒を身にまとった人々が行き交う。
晴海の葬儀が厳かにとり行われようとしていた。
「知ってる?死因は変死って言われてるみたいよ」
「うん、有り得ない死に方だったんでしょ?」
ひそひそと噂話しが耳に入る。
警察の検視の結果、晴海の死因はにわかに現実的ではないものだった。
『内部からの破損』
つまり、外部からの傷によるものではなく、体の内部、つまり内臓の方が体を突き破って出てきたという事。
部屋に施錠がされていた事、争った形跡も無く、何も盗まれた物もない事で「変死」ということで片付けられたのだった。
「晴海…」
陽子が晴海の遺影を前にして呟く。
何も言わず武が肩を寄せた
「あ・・・信二・・・」
葬儀場で美咲が信二を見つけた。
晴海が死んで以来、「4」というメッセージの事を伝えるために、一度は大学へと姿を現したのだが、それ以来誰も姿を見ていなかったのだ。
一番近い人が亡くなっているのを、その目で確認してしまったのだ。無理も無い。